社長ブログ

vol. 610　スルガ銀行と被害者の話

2022/03/15
業界のはなし

毎日ブログ610日目　　　
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昨日の夜NHKでこんな番組やっていた。

2018年かなりのニュースになった「かぼちゃの馬車事件」。

スルガ銀行が不動産業者と一緒にシェアハウスに投資させるためおよそ1000人に総額1500億円を不正に貸し付けたという事件。

その自らもスルガ銀行から借金を背負った主人公の冨谷さん。被害者を束ねてSS被害者同盟（スルガ銀行・スマートデイズ被害者同盟）の代表として弁護団とともに借金帳消しを求めていき2020年、シェアハウスを手放せば返済免除するという結果を勝ち取ったという話。

番組は被害者たちがどのような経緯や理由で、このシェアハウスを買ったのか。その時に融資したスルガ銀行と販売不動産会社のスマートデイズがどんな不正や改ざんを行ったのか。

購入したシェアハウスは30年間の家賃保証という契約。しかししばらくすると家賃が滞りだし結局スマートデイズは倒産。平均1億5千万の負債を抱えたオーナーたち。

仕方なく処分しようとしてもなんとそのシェアハウスの価値は半分以下。家賃でローン支払いを賄うはずが肝心の家賃が入らず毎月80万円の支払いだけが迫る・・

そんななか立ち上がったのがこの番組の主人公の冨谷さん。

仲間を集めて自らの娘婿もかぼちゃの馬車2件を買ってしまっていた有名弁護士の河合弁護士とタッグを組み、数々の困難を乗り越え逆転し巨悪スルガ銀行を倒し、とうとう借金帳消しを手にしたというストーリー。

番組はどちらかというとこの倒産したスマートデイズではなく、スルガ銀行側の体質と不正融資がいかに悪質で一般消費者を騙し、詐欺行為を行ったのかが焦点。

そして最終的にかぼちゃの馬車での借り入れを帳消しにして正義は勝つ。という勧善懲悪ストーリーで終わってた。

投資は自己責任

これはその言葉の通りだけどこの事件についてや不動産投資についてはちょっと違うよね。

株やFXなどであれば原則的に自己資金を自分の意思だけで投資するよね。だけど不動産投資というのはまず一人では完結しない。

まず融資する銀行や不動産会社に司法書士など関係者が多い。そして肝心の不動産オーナーだけが素人や一般人というケース。この場合誰かが悪意あることをしようとすれば簡単に騙される。

だから不動産のプロや専門家に言われたらきっと判断にバイアスがかかる。ちょっとおかしいなと思っても「これが普通です」って言われたらそんなもんかなって思うっちゃうよね。　

そう考えるとこの事件でまず絶対的に悪いのはスマートデイズだし、確信犯的にその人のキャパ以上に不正融資をしたスルガ銀行はアウトだよね。

でも実際に不動産投資をバリバリやっている不動産投資家や投資用不動産業者からすると・・

「もちろん騙された背景があっても不動産投資をしようと思った以上被害者っていうのは違うでしょ」とか「そもそも売却したら損が出るような物件を自身の無知さから業者に騙されて買っちゃったいい大人が損したら銀行のせいってそれは投資と言える？」とか。

こんな厳しい意見があるのも事実。だけどそれは不動産投資とはこういうものだっていうそれこそプロとしての視点や意見。

ようするに物件や融資や収支そのほか全体をみて自己判断をするのが当たり前という前提。

でも彼ら被害者と言われる人たちはそもそも不動産投資をしているつもりはないし、こんないいものがありますよって勧められて買いそしたら騙されました。

って物件も融資も収支もみても自己判断つかないからプロに聞くのが当たり前って前提。

はっきりいってどっちが正しいとかじゃなくて正反対の思考と常識だから一生意見は平行線だし、お互いの持論や価値観をぶつけ合うだけでは分かり合えないよね・・・

でもこの件で騙した側もそれでお金さえ儲かれば幸せだと思ってやったんだろうし、騙された側もこんないい話があれば将来の安心や幸せが手に入ると思った訳だよね。

そしてお金を手にしたのは前者で後者はその幸せになる方法を人に委ねたばかりにお金を失った。

そんなことを考えてみるとこの事件で一体だれが幸せになったのかわからなくなるけれど・・そこに相手を想う気持ちがあったかどうかが大事なんだと思うよ。

きょうはここまでそれではまたあした！