社長ブログ

vol. 502　スルガ銀行の話

2021/11/27
業界のはなし

毎日ブログ502日目　　
上野の『投資用ワンルームマンション売却』専門不動産会社　
※旧ブログはこちらから

まだまだ終わらないスルガ銀行のこんなニュース・・

決算説明会で投資用不動産に関わる不正融資の返済状況を開
示したんだけど、シェアハウスを除くアパートマンション向
け融資。その残高6割弱にあたる約6000億円が要注意先融資
との事。

どういうことかと言うと多くの先で延滞は発生していないけ
れど例えば・・

・確定申告書が受領できていない＝連絡が取れない

・融資してる対象物件が赤字＝家賃収入より返済の
　ほうが大きく持ち出し

総額で約１兆円ある一棟収益ローン貸付のうち６割がこんな
状態。流石にこの全てが貸倒れになったりはしないと思うけ
ど、はっきりいってこの中からデフォルト(債務不履行)になり
自己破産〜競売となっていく物件も少なくないはず。

こうならないために物件評価をするのは金融機関側。それが
こんな状態になっているって言うのはどう考えても、販売会
社や仲介会社だけ、知識なく借りたオーナーだけのせいでは
なくて、やっぱりスルガ銀行にも過失（確信）はあるよね・・

じつはこの前に訪問営業したオーナーさんでおそらくこの６
割の中に入っている人と話をした。

その人は10年前に新築ワンルームを4件。全てスルガ銀行で
ローンを組んで買っていた。当時の金利は3.425%。

当然フルローンでしかも都内物件ではなく地方物件。当然毎
月の持ち出しはトータルで数万円。とここまでは10年程前の
その頃にはよくあるパターンだし、これまで何度もそういう
人の売却や借り換えの手伝いはやってきた。

でもここ最近多いのはこういうパターン・・実はこの4件の
新築ワンルームとは別に一棟収益アパートも持っている。

そしてその借り入れ銀行も・・スルガ銀行

購入金額6,000万円当然フルローンで金利は4.5%。その地
方木造中古アパートは全８戸数で現在は６室入居２室。そ
してここまで聞いて予想通りなんだけど・・月持ち出しは
20万以上あるそう。

ここまで話を聞いて１番の問題は、もうすでに約1,500万
円後の新築ワンルームのローンを抱えていて、そのうえ赤
字収支なのにもかかわらず、さらに6,000万円もの投資用
ローンを貸付するって・・

おそらく想像だけどこのオーナーさんの年収は800万円く
らいはある。でも普通に考えてマンション＋アパート併せ
た借入額が1億円以上あるっていうのは異常だよね・・

そしていま現在、オーナーさんはご自身でアパートやマン
ションの金利見直しをスルガ銀行へ申し入れしたけど却下
され、アパートローンの方を元金据え置きの金利だけ払い
に切り替えてもらう手続きをしている。

それだったとしても新築ワンルームの持ち出しも月に７万
円以上に加えて、アパートも10万円くらいは出てしまうそ
う・・そしてそのアパートやマンションを売り出したいと
の事で相談をされているんだけど、正直厳しいんだよね。

はっきり言ってその6,000万で買った収益アパート。市場
価格はいいところ2,800万〜3,200万の査定らしいし、自
分たちの本業の投資用ワンルームも、3.425%の金利のせ
いで全然元金減っていない。

だから当然ローン残額より1件あたり2〜300万レベルで持
ち出し金の準備ができなければ売却は不可能・・

そのオーナーさんの話を聞いていて一番ショックだったの
は、もういよいよダメだったらもう自己破産するしかない
って言っていたところ。

ちなみにそのオーナーさんは立派な持ち家で奥さんと学生
のお子さん2人と暮らす４人家族。

来年定年退職だけど退職金は借入返済のために、前払いと
してすでに貸付してもらいほとんど残らないらしい。そし
てこのことはまだ家族に詳しく話していないという・・

でもこんな話は特段めずらしい話じゃなく投資用ワンルー
ムの物上げをしていればよくあるんだよね。

でもはっきり言って手助けができたり処分ができるケースは
少なかったり稀なこと。そして今回のオーナーさんもワンル
ームの売却相談をされてはいるんだけど正直・・厳しい。

ローン貸す側、売る側、買う側。銀行、不動産会社、オーナ
ー。もうね、誰が100％悪いとかは言えない。

ただ圧倒的に立場が強いのはだれ？そしてその強い立場の側
しか弱い立場を保護したり守ることはできないはず・・

だけどスルガ銀行の発表を見る限りこの調子だと、同じよう
なオーナーさんたち、まだまだ増えていきそうなんだよね・・

きょうはここまで、それではまたあした！