社長ブログ

vol. 565　営業論「ペンと鉛筆」

2022/01/29
大事なはなし

毎日ブログ565日目　　
上野の『投資用ワンルームマンション売却』専門不動産会社　
※旧ブログはこちらから

たぶん不動産に保険や株式の営業マンなら知
っている人も多い

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

レオナルドデカプリオ扮する実在したジョー
ダン・ベルフォートっていうクレージーな金
融ブローカーの物語。　　

この映画は営業やセールスという仕事の素晴
らしいところと邪悪なところがよく描かれて
いて営業やセールスの勉強になる。　

特に有名なのは一つのペンを売るというシー
ン。ベルフォートがセールスを教えるんだけ
ど生徒に１本のペンを渡してこう言う。　

「俺にこのペンを売ってみろ」

そうするとだいたいみんな

「このペンは素晴らしくて～」

「機能が良くて人気で～」

なんておすすめをしだすんだけど
そんなんじゃ誰も買わない。

じゃあどうするかというと・・　

「頼みがあるんがこのナプキンに名前を書いてくれ」

「いまペンをもっていない」

「・・じゃあこのペンを売ってやる」

もう瞬間的にペンを手に入れなきゃいけない
状況を作り出したってわけ。（お前が頼んだ
んだからタダで貸せとかそういうことじゃあ
ない）

オススメじゃなくて需要と供給。

必要性のないところにペンの素晴らしさや
機能を説くのではなく、それを作り出した
り気づかせるというテクニックなんだね。

そんなセールスに参考になるシーンもある
けど、どちらかと言ったら人間の欲や業み
たいなものを考えさせられる映画でもある。

だけど実は全く同じようなシーンが登場す
るこんな日本の名作映画がこれ・・

『男はつらいよ拝啓車寅次郎様』

それはこんなシーン・・

靴の会社で営業をしているおいっ子の満男。
仕事がつまらないと愚痴をこぼしてたのを
聞いた寅さん。

そのへんにあった鉛筆を満男に渡してこう
言うんだよね。

「オレに売ってみな」

満男はしぶしぶ「この鉛筆を買ってくださ
い」とか「消しゴム付きですよ」とかおす
すめする。

すると寅さんは

「僕は字を書かないから鉛筆なんて

必要ありません」

と即断り。

「こんな鉛筆は売りようがないよ」とさじ
を投げた満男。するとこんどは寅さんの番。

「この鉛筆を見るとな・・おふくろ

のことを思い出してしょうがねぇん

だよなぁ・・」

とおもむろに鉛筆にまつわる深いい話をし
みじみと語り始める。

もちろん即興の作り話だけど・・これが引
き込まれるんだよね。

もともと細い目で遠く絵を見つめるように
めっちゃ細めて、本当に懐かしそうに鉛筆
を見ながら情感たっぷりに・・あの名調子
で語り続ける。

するとその場にいた家族全員が寅さんの話
に心をもっていかれみんなその鉛筆が欲し
くなって買ってしまうっていう・・

この違いはまさに鉛筆を商品として売ろ
うとした満男と、鉛筆の価値を伝えて買
ってもらった寅さん。

もちろん口八丁と言えばそうだけど、寅
さんのこの話を聞いた人は鉛筆に価値を
感じて自ら欲しくなってしまう。

ある意味これも需要を作り出しているけ
れどベルフォートの場合は先にニーズが
あってウォンツが後。寅さんの場合は先
にウォンツがあってニーズは後。

おなじペン（鉛筆）を売るのでもこれだ
け違うのだけれど、どちらとも共通して
いるのは気持ちや感情を動かしているっ
てこと。

だからどちらの売り方も出来てしまう営
業やセールスが最強なのかもしれない。

でも正直どちらの方法でもいいと思うし
営業やセールスするのに正解はないと思
う。

それにどんな形でも買ってもらえればあ
りがたいことだしね。

だけど、出来たらその商品を手に入れた
りサービスを受けたあとに本当に良かっ
たとか満足したって感謝してもらえるほ
うがいい。

たしかに売上を上げることは目的でも目
標でもあるけど、お客様に喜んでもらう
満足してもらうっていうそれこそ目的。

もしもそこを無視した営業やセールスを
してお客さんが喜ばなかったり満足しな
かったなら、どんな売り方でも詐欺や押
し売りと変わらないよね・・

きょうはここまで、それではまたあした！

祝「男はつらいよ」NETFLIX 全作品公開

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