どちらが得?
- 2025/09/26
- 鈴木一徳
相談。
午前中、仕事をしていると知り合いから連絡がありました。首都圏の実需を中心に扱っているのですが、売却相談を受けた方が空室のまま売却・賃貸を付けて収入を得ながら売却、のどちらが良いか迷っている。どっちが良いと思いますか?という相談でした。所有者さんはすでに別物件を購入・転居されており、その物件は空室。売却まで所要期間が長くなり、部屋が空いたままではもったいないし、それなら両得を狙って……という考えのようです。
アイディアとしては良いですが、実際うまくいかないのが現実で…その知り合いは投資用ワンルームが専門でないので、そもそも賃貸を付けてしまったら銀行融資がほぼ限られてしまう点からかんたんに説明しました。わたしがたま~に預かる実需案件でその知り合いに質問する内容と同様、同業者であっても物件ジャンルが異なると「基本的な内容」であっても認識のズレや不足があります。仮に賃貸をつけた場合の売り方について説明すると、「あーやっぱり厳しいですね」という結論になりました。
双方の考え。
同時に、話していて感じたのが「売主・買主の考えや常識のちがいも包んで対応しないといけないな」ということです。今回、所有者さんは現金購入されてローン残債もない、いわゆる「資金力のある方」です。それに対し、5ケタ近い売却価格を現金一括購入できる「買主層」で考えると、どうしても母数は減少します。フルローン・ペアローンでの購入検討層も視野に入れないと、スムーズな売却は難しそうです。そうなると必然的に「銀行融資」が最重要項目になります。
ただ、売主側は「自分が現金で買ってるし、そういう客を見つければ良い話しでしょ?」「賃貸中で銀行融資がと言われても、そんなに関係あるの?」と感じてしまう可能性があります。結果として「高く売れれば万事解決」には間違いないのですが、その結果に至るプロセスこそ重要です。そこ(価格に応じての買主母数や購入理由)をしっかり分解し、売主様との共通認識にできるかどうかが、仲介として信頼を獲得するためのスキルだと感じました。他社の話しですが、うまくいくと良いなと思います。
本日もおつかれさまでした!