7月11日の日報(vol.1721)
- 2025/07/11
- 松本満
道路確認から始まる売却。
相続物件の売出し準備を進めていた矢先、早くも問題が発覚。対象の物件前面の道路について、以前に役所へ確認した際には公道との回答だったが、いざ売却に向けて資料をまとめていたところで再度役所に確認したら「現時点ではまだ建築基準法上の道路種別が確定されていない」という驚きの回答。じゃあこの物件は当時どうやって建てられたのか?という素朴な疑問は残るが、ともかく今後売却を進めるうえではこの道路種別の確定が不可欠。
すぐに役所へ現地調査の依頼を行い、結果が出るまでの間は条件付きで売出しを検討することにした。すでに声をかけている買取業者には、あくまで道路条件がクリアされた前提で査定価格を出してもらうよう依頼。まだ正式な調査結果は出ていないものの、どこまで価格に影響が出るのかある意味シビアな状況になるかもしれない。こうしたイレギュラーな状況こそ丁寧な調査と確認が重要だけど、あらためて相続案件、そして土地売却ならではの難しさを感じた。
三為取引の闇と現場のリアル。
夕方、昔からお世話になっている不動産会社の社長が来社。銀行から紹介されたという案件の相談だったけれど、内容はなかなか複雑なもので、いわゆる三為取引のトラブル案件。話を聞くと間に入った不動産業者が、売主には「リースバック」として説明し、買主には「実需物件」として販売していたらしい。その業者はいまや音信不通。売主は当然住み続けられると思っていた一方で、買主は退去してもらって住むつもり。しかも、ABBCすべての契約書にリースバックの記述は一切なし・・ローンを通した銀行担当者も困り果てているらしいけど、誰が悪いかといえば、その不動産会社が悪質なのは間違いない。
ただ、売主・買主ともに契約内容をよく確認しないまま進めた面もあるし、銀行側にもリスク管理の甘さはあった。現所有者である買主は、もはやこのややこしい物件を手放したいと考えている。だけどオーナーチェンジのままでは、ローン残債を下回る可能性が高く売却は困難。そこで、まずは入居者(元売主)に事情をしっかり説明し、納得の上で退去してもらう形が現実的だとアドバイスした。不動産は人の人生を左右するもの。だからこそ業者として誠実な取引と丁寧な説明は何より大切だとあらためて感じた。