6月29日の日報(vol.1714)
- 2025/06/29
- 松本満
きっかけはバックの中から。
今日は以前からお付き合いのある地方の不動産会社の社長が、ある相談を持って来社された。同行していたのは社長の知人である学生時代の恩師とご子息。つまり3人での訪問。話を聞くとそのご子息が都内に投資用ワンルームを2件所有しているという。きっかけは電話営業だったらしい。強引ではなかったが内容もよくわからないまま話を進められ、結果的に契約してしまったというパターン。
驚いたのは物件購入を家族が知った経緯。ある日彼が実家に帰省した際バックの中から契約書類が出てきて、お父さんが見つけてしまったとのこと。そこから一気に話が明るみに出たらしい。詳しく聞けば、2件のサブリース賃料では毎月数万円の持ち出しが発生し、まだ20代の彼の給与では生活にも支障が出ているようだった。お母さんはそれを深く嘆いているという。
売却する決断と繰り返される現実。
さっそく物件の内容を確認してみたが、駅から徒歩10分以上、築年数も古めで賃料も低い。これといって強みのない、典型的な電話営業で売られる物件だった。彼自身も、「もうこれ以上は持っていられない」と感じており、お父様も「いずれは手放すべきだ」と納得された様子。最終的には、できる限り条件のよい形で売却していこうという方向で話がまとまった。こういった本人の意思とは異なる投資マンションの相談は決して珍しくない。
その多くは損失を出してでも売却に進むケースが多く、ローン残債と売却価格に差があり追加で資金を出して清算する必要がある。それでも精神的な負担や将来への不安を考えれば、今のうちに一度リセットしたいという気持ちになるのもよくわかる。こうした背景をもつ相談は昔からあるし変わらない。今回もそのひとつ。引き続き誠実にサポートしていきたいと思った。